アルコールストーブって?
アルコールストーブとは、燃料としてアルコールを使用する簡易なバーナー(コンロ)のことです。
アルコールストーブは、火力の調節が容易で、煙や臭いが少なく、安全性が高いという特徴があり、アルコールは再生可能なエネルギー源であるため、環境にも優しいとも言えます。
アルコールストーブの歴史
アルコールストーブの歴史は古く、18世紀にはすでにヨーロッパで使われていました。
19世紀には、スイスの科学者ジャン・フランソワ・ド・ラヴォワジエがアルコールストーブの原理を発見し、その後さまざまな改良が加えられました。
20世紀に入ると、アルコールストーブは登山やキャンプなどのアウトドア用品として広く普及し、現在では、電気やガスなどのインフラが整っていない地域や災害時にも活用されています。
アルコールストーブの種類
アルコールストーブは「非加圧式」と「加圧式」の2種類があります。
アルコールストーブの構造はとてもシンプル。
予熱で燃料を気化させることで燃焼するという基本的な仕組みは、どちらも同じです。
しかし、種類によって構造や燃焼の仕組みが若干違います。
アルコールストーブ非加圧式
非加圧式の構造は、燃料であるアルコールを大きく開いた上部から直接注ぎます。
そして、このタイプの一番大きな特徴は壁が2重構造になっていることです。
内側の筒内はアルコールを安定的に燃焼させるための言わば「余熱室」。
一般的には開口部の周りに火が出るための穴がいくつも開いていて、気化したアルコールが燃焼し、ストーブ中央からも火が発生する構造となっています。
このタイプのアルコールストーブは風の影響を受けやすいので、燃料消費を考えると、非効率的と言われています。
アルコールストーブ加圧式
加圧式が非加圧式と最も分かりやすく違うのは、壁が2重構造でないという事です。
まず加圧式は上部が密閉されており、そこに、燃料を注入するための小さな穴が開いていて、燃料となるアルコールを注射器やスポイトのようなものを使い注いでいきます。
注ぎ終わったら、その穴をネジや硬貨などで塞いで密閉します。
アルコールストーブの素材
アルコールストーブの種類は「非加圧式」と「加圧式」の2つですが、実際選ぼうとすると値段も様々で迷ってしまいますよね。
これはアルコールストーブに使われている素材による違いが大きいです。
真鍮
金色で光沢があり、強度が高いです。
重くてサビやすいことがデメリットですが、使い込むと渋い味が出ます。
チタン
軽くて丈夫で耐腐食性が高いです。
しかし、加工が難しいことから、性能は抜群ですが他と比べてコスパは低くなります。
アルミ
軽くて安価で加工しやすく、熱伝導率が高いので、予熱時間が短く済みます。
しかし、強度や耐熱性が低いことがデメリット。
ステンレス
錆びにくくて丈夫で耐熱性が高いです。
しかし、重くて熱伝導率が低く、予熱時間が長くなります。
軽くてコンパクトなアルコールストーブは壊れにくいこともあり、アウトドアの必須アイテムです。
大自然の中で、青い炎を静かに立てるアルコールストーブの火は、都会の喧騒を離れ、ゆっくりとした時間を過ごすのにピッタリ。
アウトドア時だけではなく、非常用にもとても重宝します。